被相続人から不動産を相続すれば名義変更の登記、いわゆる相続登記を済ませるのが一般的です。しかし相続人の中には、登記手続きの費用や税金を支払いたくないために、未登記のまま相続不動産を放置するケースも少なくありません。このような不動産を所有することによって、思いがけず様々なデメリットやリスクを招いて、結果的に大きな損失や負担を被るケースも数多く目立ちます。例えば私人間の取引では、いざ相続不動産を売却したくても、未登記の不動産では信頼性が低いために買い手が付かなかったり、不動産を担保に入れて融資を受けたくても金融機関に審査を落とされる、最悪の場合には見知らぬ第三者に先に登記されて所有権を主張できなくなるなど、このようなケースが典型的と言えるでしょう。

さらに2024年度からは相続登記は法改正で義務化されるため、未登記の不動産を放置することによって、罰則を受けることもあり得ます。いずれにしても、今後は相続登記を免れることは難しいと言えるでしょう。もし費用に不安や疑問があるならば、登記のプロである司法書士を探して、よく相談することが求められます。またあらかじめ基本的な費用を知っておくと、司法書士との打ち合わせや交渉も円滑になり、相続登記の手続きへの不安や疑問も軽減されるかもしれません。

ちなみに相続登記で必要になる主な費用としては、戸籍謄本が1通450円、除籍謄本と改製原戸籍謄本がそれぞれ1通750円、戸籍の附票の写しでは300円が基本。自治体ごとに異なるのは、住民票の写しや印鑑証明書あるいは固定資産評価証明書といった各種書類で、それぞれ1通あたり200円から300円と幅があります。この他にも土地や建物の固定資産税評価額に一定の税率を掛けた登録免許税、そして司法書士への報酬が必要です。なお司法書士の報酬は自由化されており、依頼先へ直接問い合わせることが求められます。

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